朝一番、常連のおばあちゃんの隣で、さりげなくトングを持ってパンを取るお手伝い。その理由は、トングのメーカーを選ぶほど、ずっしりとしたパンだから。新得町のパン屋ごりらのしっぽを営む岡田元成さんの誠実さが垣間見えた気がします。

東京でIT企業のエンジニアだった岡田さん。学生時代の同級生から誠実な誘いを受け、新得町に移住。当初は奥様のためにパンをつくっていましたが、独学で酵母を作ってみよう！次は石窯！と元来のモノづくりが好きな性分を次々に発揮。知人の「お店を出すべき」との言葉をきっかけに、店舗も手作りして開店に至ります。

「今の自分にできることを最大限にやる」。そう日々を積み重ねてきたことで、開店当初と現在ではパンも大きく違うという。「モノづくりは、試行錯誤しながら集中している感覚が楽しい。完成は終わりではなく、次へのステップ」と話してくれました。独自の勘と惜しみない手間で作られる自家製酵母からつくるパン。焼き立ては、まだ固い表面と香ばしさがふわっと香り、翌日になると、やわらぐ香ばしさに酵母の香りがたち、また違った雰囲気になります。

取材後にパンを一口齧る。硬い。思わず頬が緩む、ハードパン好きの至福の一瞬。噛みしめて、顎のリズムに没頭し、酸味や香ばしさを楽しむ。「ここにしかないパン」そうお客さんから言われるのも納得です。

寒さが色々な楽しみを生む十勝の冬を満喫すべく、まずは然別湖へ。凍った湖上のコタン（1月末～3月中旬）で露天風呂やアクティビティを楽しんだ後は、然別湖畔温泉ホテル風水❶に宿泊。翌日は新得町のごりらのしっぽ❷でパンを買ったら、焼き立ての香ばしさを頬張り、清水町のあすなろファーミング❸で真冬のソフトクリームを堪能！ロングドライブの締めくくりは、カフェダイニングサルビア❹でパンケーキを楽しんで。