新千歳空港から車で約60分。支笏湖温泉街の対岸、恵庭岳の麓に秘湯丸駒温泉旅館❶が佇む。「大正4年（1915年）12月末の午後11時ころ月明かりを頼りに、一そうの舟が湖畔を出て対岸へ。凍てつく冬の寒さのなか2時間ほどで対岸へ到着すると、やぶをかきわけ、地熱で雪が溶けている場所をみつけ一晩過ごす。翌日、湯が湧き出ている場所を探し当て、草ぶきの小屋を建てたのが、ひいじいさんの初太郎」。丸駒温泉創業の由来をそう教えてくれたのは、静かな支笏湖を守るため動力船の規制などに取組んできた4代目館主の佐々木義朗さん。創業当時から変わらぬ姿という天然露天風呂は、浴場と湖を岩場で隔てたのみの野趣あふれる造りで、湖水と同じ無色透明の湯に、深さも湖の水位と同じく、季節によって上下する。支笏湖の自然の中で紡いできた歴史を感じながら、静かに雪見を楽しみたい。

丸駒温泉旅館から約1時間40分、洞爺湖畔に佇む可愛らしい外観の建物は、家具と雑貨と憩いの店キトリンゴ❷。〈食べる・暮らす・創る〉がコンセプトの店内に入ると、北欧雑貨と家具が並び、そこはまるで宝石箱。何を隠そう、筆者（中村）の自宅のダイニングテーブルもここの特注品。穏やかで楽しい"あなたのおうち時間"の一翼を担うこと間違いなし。

洞爺湖畔から羊蹄山を目印に約30分、郷の駅ホッときもべつ❸へ。農業のまち喜茂別町は、中山峠の『あげいも』でおなじみの美味しいじゃがいもの名産地。それを周知すべく、きもべつ観光協会が新商品『じゃがちょこっと』を開発した。担当した山本恵里子さんに話を聞くと「じゃがいもを使ったお土産品を通して、喜茂別町をじゃがいもの産地としても知っていただきたい」と語ってくれた。